NPO法人すぎなみ環境ネットワーク

持続可能な社会を目指し、環境に配慮した生活をすすめる団体です

HOME環境学習支援自然体験活動の支援>杉並区立井荻小学校の自然体験活動

環境学習支援

自然体験活動の支援

「環境を考えるとは」~杉並区立井荻小学校の自然体験活動より

善福寺川での川調べ

 すぎなみ環境ネットワークが環境学習のお手伝いをしている事例をご紹介します。井荻小学校は杉並区の北西部に位置し、校内を善福寺川が流れるという珍しい立地を生かし、現在ではその善福寺川を自然の川に戻すために様々な活動に取り組んでいます。「総合的な学習の時間」を活用した川調べや野鳥観察を初めとする自然体験活動では、身近な自然に触れ、生き物の存在に気づき、自然を大切に思う気持ちが芽生えます。繰り返し学習を行うことで子どもたちは次第に善福寺川の自然環境を守りたいと感じるようになっていくようです。そして学習のまとめとして6 年生が夏休み明けに川の清掃活動を行っています。

 2012 年12 月には、都市河川とまちの未来を考える「第13 回善福寺川フォーラム」が開催されました。川の自然保全を行っている地域の市民グループと共に井荻小の6 年生も参加し、発表しました。川の清掃活動の後、なぜ善福寺川が汚くて悪臭のする川なのか、その原因を探るために下水道の仕組みや川の構造について調べ、さらにゲストティーチャーから横浜市瀬谷区を流れる和泉川を自然の川に再生した経緯を聞き、「善福寺川も里川(自然の川)に戻せる可能性は高いはずだ」と考えたようです。「ごみがなくて下水が流れ込まない川」、「みんなが遊べるきれいな川」、「生きものがたくさんいる川」等、善福寺川に寄せる思いを発表しました。その後のワークショップでも大人に混じってテーブルにつき、「川が汚れていることを社会問題として取り上げてもらう」といった発言も聞かれ、子どもたちが本気で関わっている気持ちが伝わってきます。

川調べの振り返り

 後日、指導に当たっている井荻小の先生からは「環境を考えるとは自分以外の命を大切にすることです」と伺いました。「自分以外の命」に気がつく子どもたちは、自分の命を大切に思う子どもたちであるとも言えるでしょう。大人の前で堂々と発表する子どもたちの真剣な顔を見ていて、環境学習のお手伝いは命を大切にすることを学ぶことにもつながっていると感じています。