NPO法人すぎなみ環境ネットワーク

持続可能な社会を目指し、環境に配慮した生活をすすめる団体です

HOME環境学習支援自然体験活動の支援>「環境を考えるとは」~杉並区立井荻小学校の自然体験活動より

環境学習支援

自然体験活動の支援

事例1)「環境を考えるとは」~杉並区立井荻小学校の自然体験活動より

 すぎなみ環境ネットワークが環境学習のお手伝いをしている事例をご紹介します。井荻小学校は杉並区の北西部に位置し、校内を善福寺川が流れるという珍しい立地を生かし、現在ではその善福寺川を自然の川に戻すために様々な活動に取り組んでいます。

善福寺川での川調べ

 最初は野鳥観察の授業サポートで支援に入りました。支援を続けるうちに校内を善福寺川が流れているのを授業に活かさないのはもったいないと、学校に訴え続けてきました。
 2010年3月に当時の5年生が社会科で京都の鴨川が再生したことを学び、善福寺川を取り巻く現状について話をして欲しいとの依頼がありました。杉並区や様々な環境団体などの活動の現状を話したところ、自分たちに何ができるかということから、川沿いの清掃活動を行うことになりました。

 2011年度からは今までの野鳥観察のサポートの他に、3年生から6年生までが善福寺川をテーマにした学習のサポートも加わり、学校と相談しながら川調べを体系的に学ぶカリキュラムが形成されました。

 そして「善福寺川調べ」と「野鳥観察」という二本の柱となる井荻小の環境学習が体系づけられました。

川調べの振り返り

 2011年から杉並区土木課主催の「水鳥の水辺創出事業のシンポジウム」に毎年のように6年生が参加、発表を続けています。区民の方から称賛の言葉をいただいております。2016年からは、小中学生環境サミットに5年生が善福寺川をテーマにした学習の成果を発表し続けています。

 2014年には善福寺公園下の池手前の閉鎖された水路について、5~6年生が「夢水路設計図」として当時の区長に届けました。そこから区の実行計画に取り上げられて水路の整備が行われ、2018年7月に遅野井川親水施設として、区民が自由に入れる水辺空間が出来上がりました。

 2015年には野鳥観察のための「野鳥観察ノート」の作成を学校と協働で行い、現在3年生から6年生までが活用しています。卒業生からも今でも野鳥をつい見てしまうなどの声が聞かれ、野鳥観察が日常の生活の中に根付いています。
 また、同年には2004年からの野鳥観察会の実績などが認められ、井荻小は東京都から「愛鳥モデル校」に指定されました。
 2021年3月には、川の学習に関わっている人たちの協働により「善福寺川ノート」ができ、こちらも3年生から6年生がこれを使って、川の学習を深めることができています。

 善福寺川をきれいな川に変えるために自分たちのできることとして、5~6年生の川の学習では、「あまみず」を下水や川にすぐに流してしまうのではなく、地下に浸透させることで湧水が涵養されることを目指して、校庭内などで雨水を浸透させる仕組みなどの実践にも取り組んでいます。

 指導に当たっている井荻小の先生からは「環境を考えるとは自分以外の命を大切にすることです」と伺いました。「自分以外の命」に気がつく子どもたちは、自分の命を大切に思う子どもたちであるとも言えるでしょう。大人の前で堂々と発表する子どもたちの真剣な顔を見ていて、環境学習のお手伝いは命を大切にすることを学ぶことにもつながっていると感じています。