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活動レポート

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春の道草さんぽ

                          ※講座風景

 

開催日時:令和4年4月16日(土) 午前10時~12時

開催場所:環境活動推進センター

講  師:植物生態学者  立教大学・国際基督教大学兼任講師  多田  多恵子 氏

参加人数:27名

 

植物生態学者の多田多恵子先生から身近な植物の意外な生きる知恵を紹介いただきました。

実際に植物をルーペで観察したり、たくさんの花の写真を見ながら動けない植物の生き残り戦略を学びました。
例えば植物毒アルカロイドには栄養分でもある窒素が多く含まれているためコストがかかります。

国家予算に占める防衛費に例え、生育のための費用と身を守るための防衛費のバランスが大切とのお話。

花の形や色は客(虫)を呼び込むための「花のレストラン」経営戦略。浅い上向きの花はどんな客(虫)でも入りやすいファミレスタイプ、下向きや複雑な構造の花は客を選ぶ会員制専門レストランなどなど、身近な植物の新しい見方に植物への興味が尽きない講座でした。(取材:広報委員会 Y.Y)


>※当日のチラシはこちら

参加者に配られた植物を各自実際に観察

※キュウリグサ、アズマネザサ、柑橘類の葉  

キュウリグサ、アズマネザサ、柑橘類の葉が配られた。アズマネザサをルーペで見て、さわって、葉を食べる外敵からの防衛のため細かい毛が斜めに生えているのを実感。

柑橘類の葉を光で透かすと、精油を閉じ込めた油点が満天の星空のように見えたのにも驚きました。

植物を手に取って観察

※キュウリグサのアップ写真

キュウリグサをつぶすとキュウリの香りがしました。

ウラシマソウの花の内部構造

※経営戦略は「ぼったくりバー」? 

性転換することでも知られているウラシマソウの仲間はキノコの匂いで客(キノコバエ)を誘い込み、花粉をつけさせ雄株は脱出口からいったんキノコバエを解放するが、雌株は脱出口がなく身ぐるみはいで花粉をとりつくす。

トビカズラの花

※上は弁を開いた状態

哺乳類(オオコウモリ)に花粉を運ばせるトビカズラの花は独特の香り。

オオコウモリが力を入れて弁を開いて初めて雄しべ雌しべが現れる。

講座後の多田先生

講座後の撮影のお願いに笑顔で応えてくださいました。