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かんきょう講演会「景色が変わると生きものはどう変わるのか」

               ※種多様性の変化と推測される要因~チョウ類について

 

開催日時:令和3年3月13日(土) 午後2時~4時

開催場所:ウェルファーム杉並

講  師:東京大学総合研究博物館 研究事業協力者 須田 真一 氏

参加人数:42名

 

 42名の方の参加で、新型コロナウイルス感染拡大防止対応の席は満席でした。

子どものころから自転車で通っていた石神井公園を舞台にした経緯のお話から始まりました。

 研究の背景として、かつては生物多様性に富んだ自然環境が、この数十年で著しく失われ、過去の状況を想像することも困難な状況になっているが、近年身近な自然環境への関心の高まりや保全・再生への動きが活発化していることをあげられました。

 地域在来の自然再生・種多様性の保全・再生には具体的な目標設定が不可欠で、そのためには空間的アプローチと時間的アプローチがあるとのことです。また、種の多様性を支えるのは、生態系とランドスケープの多様性が必要とも。

 研究の目的として、過去と現在の生態系・ランドスケープと生物相を比較し、異なる時間断面で見た種多様性の違いとその変化要因を明らかにすると述べられておられます。

 調査地と方法の説明のあと、結果の考察について、石神井公園を舞台にしたチョウとトンボの事例を説明していただきました。

 まとめとして、ランドスケープ要素で最も減少したのは水路と湧水池、水田を含めた湿地も大きく減少。これらの消失が種多様性衰退の最大の要因とされているが、三宝寺池が天然記念物に指定されたことで、善福寺池、井の頭池に比べれば保全の効果があったとも述べられました。

 種多様性の保全・再生には、生息地として機能する規模以上で要素(生態系)の多様性を確保することが必要。また、実際の保全・再生に生かすには、現実に再生可能な種と生態系を選択して、段階的に再生を図っていくべきとの結論でした。

 


>※当日のチラシはこちら


1930年代頃の三宝寺池の植生

1990年代頃の三宝寺池の植生