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活動レポート

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かんきょう講演会「善福寺川、東京湾とのつながりを考えるビオトープの再生」

平成26年7月6日(日)あんさんぶる荻窪4階 第1~3教室
講師: 東邦大学名誉教授
     風呂田 利夫(ふろたとしお) 氏

善福寺川は神田川と、その後、隅田川と合流しながら、東京湾へと注ぎます。
善福寺川の環境を再生することによって、東京湾からさまざまな生物が戻り、身近なビオトープができあがります。そのためには何が必要でしょうか、分かりやすいお話を具体的に伺いました。


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ビオトープの意味と機能

ビオトープとは、それぞれの環境に適応した生物たちが形成している独特の生態系を意味します。私たちは、自然からの恵み(生態系サービス)を享受して豊かに生活しているといえます。

※生態系サービス=生物多様性の恵み

東京湾の生物が善福寺川に戻る可能性は?

善福寺川は、善福寺池を水源に区の中央部を蛇行し、中野区との区界で神田川と合流します。そして隅田川につながり東京湾へと注ぎます。
河川別に、生息している生物の分布状況を見ると、アユやウナギなど、まだまだ、東京湾から多様な種類の生物が遡上する可能性があることが分かります。

環境再生のためには

昔は、入会権という制度により、特定地域の住民が山林原野や漁場を共同で利用していました。今日では、河川環境再生のためには、地域が連携し、生物目線で、流入河川間のネットワーク化を図ることが重要です。

21世紀の東京湾と流入河川

風呂田先生からは、
○東京湾の再生には、流域と湾双方の生態系の再生が必要。
○東京湾への流入河川を個々にとらえるのではなく、「生物目線で」土木・生物・社会学など複合的な観点から全体としてのビオトープを考えるべき。
○生物や生態系の保全と、人の利用(景観・散策・潮干狩り・漁業など)を併せて考慮する必要があるとお話でした。

熱心な質疑応答

お話の後には、水質汚染に関する問いや、固有種・在来種について、また魚類の養殖が普及した時期など、質問が積極的に寄せられ、出席者の関心の高さがうかがわれました。