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「地域を豊かにする~ドイツのエネルギー自立事例~」かんきょう講演会

平成25年3月3日(日)あんさんぶる荻窪4階 第1~3教室
講師:ドイツ在住、都市計画・環境ジャーナリスト
     村上 敦 氏

村上 敦 氏をお招きしてドイツのエネルギー政策、再生可能エネルギーへの転換とエネルギー自立地域形成から見えてくる、これから進むべき方向、地域活性化への取り組みについて講演会を開催しました。
(写真は村上氏の著書「キロワットアワー・イズ・マネー」 いしずえ 2012年発行)


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ドイツのエネルギー戦略

ドイツでは、CO2削減目標を2050年までに95%削減、最終消費電力に占める再生可能エネルギーの割合を80%にする計画だそうです。(1990年を基準)
また再生可能エネルギー分野での雇用は2011年に38万人に達しました。省エネ50万人、再生可能エネルギーで50万人、計100万人規模での雇用を生み出すことを目標にしています。

再生エネルギーへ転換すると?

まず、お話しは、再生可能エネルギーへ転換するのはなぜか?から。
現状は、
①人口減少によるインフラ維持の困難、地域経済崩壊の危機に直面している。
②世界規模での気候変動、温室効果ガスの排出量増加は続いている。
③原油の可採埋蔵量の減少により、採掘のコストは増大し採掘スピードが限界。そしてエネルギー価格の急騰が始まっています。

そこでドイツではすでにエネルギーのシフトが始まっており、地域の活性化につながっているそうです。
再生可能エネルギーへ転換するとなぜ地域が豊かになるのか?
地域でのエネルギー自立(※1)について、ドイツの事例で説明していただきました。
エネルギーの流出を最小化にするために、地域内に投資し、雇用の発生と経済波及効果による地域経済の活性化につなげています。
①省エネリフォームを推進する。(屋根断熱、外断熱材、サッシ等で法律施行や助成金もあります。)
②エネルギー利用の効率を高める。(地域暖房、下水道の排熱利用など) 
③再生可能エネルギーでの発電(フィードインタリフ法による買い取り制度も実施)・蓄電(Power to Gasなど)
その結果、地域の雇用を生み出し、地域が活性化しています。

エネルギー自立(※1)
一般に地域で一年間で消費されるエネルギー量と、地域内で生産される再生可能エネルギーの量が少なくとも同じであるか、それ以上であること。

地域の中で出来ることは沢山ある

杉並区の現状を換算すると、約1600億円のエネルギー費用が地域から流出しているそうです。
「地域の中で出来ることはたくさんあります。発想の転換が必要です。我慢の省エネでは、地域はあまり豊かにならない。費用対効果をよく考えてエネルギー自立をはかるべき。」とのお話しがありました。

ドイツの環境教育への質問

熱心な質疑応答がありました。
燃料電池の水素について、メガソーラーについて、ドイツの脱原発の背景についてなど。
ドイツの環境教育についての質問では、ドイツでは子供を森に連れて行き、知識でなく、五感で自然の楽しさを体験させるそうです。子供の時に自然を体験した人ほど、大人になった時に環境に興味を持つとのことです。温暖化の脅威などは大人が解決することで、子供にその知識のみを伝えてはいないとのお話しでした。