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活動レポート

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「森は海の恋人~よみがえる海の生き物・復興へのメッセージ」 畠山重篤氏 講演会

平成24年7月19日(木)あんさんぶる荻窪4階 第1~3教室
講師:畠山重篤氏・NPO法人森は海の恋人理事長

杉並区区制80周年記念事業として、「NPO法人森は海の恋人」理事長の畠山重篤氏をお招きして講演会を行いました。
畠山重篤氏は、宮城県気仙沼のカキ養殖家で、このほど国連の「フォレスト・ヒーローズ」を受賞されました。
カキが育つ海の豊かさを守るには、海に流れ込む川、その上流にある森が重要だとして、20年間にブナやナラなどの広葉樹を5万本も植樹し続けたことや、海を豊かにする自然環境保全活動や子どもたちの体験学習に取り組んでいることなどが評価されました。

大津波のあと、三陸の海は、あっという間によみがえったとのこと。海が元どおりになった復活のメカニズムを分かりやすく解説していただきました。

海の活力のお話

植物プランクトンがいれば食物連鎖が活発になり、海はよみがえるそうです。
山の広葉樹の葉が落ちて腐葉土になる。その中にできるフルボ酸が土中の鉄と化合。このフルボ酸鉄が水に溶けて、川を下り、気仙沼湾の植物プランクトンが増え、生育に必要な鉄も森から供給されます。

体験学習のお話

気仙沼湾に注ぐ大川流域の小学校で体験学習をしてもらっています。
その効果は大きく、「朝シャンのシャンプーを半分にする」「お父さんに農薬を減らすようにお願いする」など、気づいたことは確実に親に伝わっているそうです。
川の流域で生活する人の意識が変わると、あっという間に川も海も豊かになるとのお話です。

お話に夢中になりました

熱心に聞き入る参加者

気仙沼で実際に起きていることについて、ユーモアを交えながらの90分。「植物プランクトンや植物連鎖、鉄の働きなど、専門的な話も分かりやすい。」「海が元にもどり、とてもよかった。」「自然って素晴らしいと思う。」と、参加者から感想が寄せられました。

フォレスト・ヒーローズメダル

フォレスト・ヒーローズメダル

国連は2011年の国際森林年に当たり、世界の5地域それぞれから、森林の育成や林業の健全な発展などに最も貢献した人物をフォレスト・ヒーローズとして表彰しました。
畠山氏はアジア地域の受賞者。受賞スピーチでは、三つの森(山の森・海の中の森・川の流域に住む人の心の中の森)についてお話されたそうです。

(広報委員 澤田 記)